Scientific and Educational Reports of the Faculty
of Science and Technology, Kochi University
Vol. 1 (2018), No. 5
筒井真璃菜,三戸理誠,江口大介,豊永昌彦
Marina Tsutumi, Masataka, Mito, Daisuke Eguchi, Masahiko Toyonagara
〒780-8520 高知市曙町2-5-1 高知大学大学院理学専攻 情報科学
要旨
近年,ビッグデータは,業務効率や売上げ改善のため多様な産業で利用されている. しかしながら,ビッグデータの中には,個人情報保護問題を含むものがあり,何らかの保護方法が求められる.従来の個人情報保護技術として,氏名の記号化,個人を特定する数値の乱数化や除去,データ全体の暗号化などが挙げられる.一方,様々に保護されたデータから名寄せなどにより個人特定される危険性も指摘されている.
本研究は,ビッグデータの様々な統計情報のみからデ ータ再生成する方法を提案するものであり,個人情報保護問題を根本的に解消するビッグデータ利用環境の提案である.提案手法は,ヒストグラムと相関係数を入力として,モンテカルロ法でヒストグラムの再生,およびデータレコード順の交換で相関係数の再現をする.
生成法によるデータがビッグデータとして利用可能かどうかを検証するため,医療データを生成し,これと実際の医療データの SOM 分析を比較する.実験の結果,生成データは,ほぼ同等の SOM 分析ができることが確認できた.
Received: March 5, 2018
Reviewed by anonymous referee(s), and accepted: March 15, 2018
Published: March 31, 2018
発行者:高知大学理工学部 〒780-8520 高知県高知市曙町二丁目5-1
Faculty of Science and Technology, Kochi University, Kochi, 780-8520 Japan
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