Scientific and Educational Reports of the Faculty
of Science and Technology, Kochi University
Vol. 2 (2019), No. 4
中山健太朗*,近藤康生**,山岡勇太***
Kentaro Nakayama, Yasuo Kondo and Yuta Yamaoka
*〒911-8601 福井県勝山市村岡町寺尾51-11 福井県立恐竜博物館
**〒780-8520 高知県高知市曙町2-5-1 高知大学理工学部進化古生態学(古生物学)研究室
***〒930-0856 富山県富山市牛島新町5-5 タワー111ビル1階 一般社団法人立山黒部ジオパーク協会
要旨
高知県室戸半島西岸に分布する鮮新統〜更新統唐ノ浜層群穴内層から産出したキサゴ類(Suchium亜属腹足類)標本の分類学的検討を行った結果,穴内層にはUmbonium (Suchium) obsoletum Makiyama,およびその近縁種 U. (S.) sp.,また,U. (S.) mysticum Yokoyama およびその近縁種U. (S.) aff. mysticum Yokoyama,計4種を識別した.これらはいずれも,現生種U. (S.) costatumキサゴにつながる系統の化石種であると考えられる.他方,U. (S.) suchiense Makiyamaなど,現生種U. (S.) giganteumダンベイキサゴにつながる系統の化石種は確認されていない.また,現在,日本近海に分布するSuchium亜属の現生種,すなわちU. (S.) costatumキサゴ,U. (S.) giganteumダンベイキサゴ,U. (S.) moniliferumイボキサゴ,およびU. (S.) suturaleタイワンキサゴの化石は確認できなかった.
Received: January 30, 2019
Reviewed by anonymous referee(s), and accepted: February 27, 2019
Published: March 27, 2019
発行者:高知大学理工学部 〒780-8520 高知県高知市曙町二丁目5-1
Faculty of Science and Technology, Kochi University, Kochi, 780-8520 Japan
問い合わせ先(E-mail):serfst●kochi-u.ac.jp (送信の際は"●"を半角"@"に変更して送信してください)