HOME >> 紫外光による光防御機構の誘導に関わる遺伝子群を同定しました。

紫外光による光防御機構の誘導に関わる遺伝子群を同定しました。

山崎研究室 : 2019/03/04

当研究室と、基礎生物学研究所、名古屋大学の研究グループとの共同研究の成果が発表されました。

 

Isolation of photoprotective signal transduction mutants by systematic bioluminescence screening in Chlamydomonas reinhardtii

Ryutaro Tokutsu, Konomi Fujimura-Kamada, Tomohito Yamasaki, Takuya Matsuo & Jun Minagawa

Scientific Reports volume 9, Article number: 2820 (2019)

 

(解説)植物は、光合成で処理できる上限を超えた過剰な光エネルギー(例えば直射日光)から身を守る仕組み『qEクエンチング』を駆動させ、光合成を安全に行います。このqEクエンチングを引き起こすシグナルとして、これまでPhototropinが受容する青色光が知られていました。一方、近年の研究からUVR8が受容する紫外光もqEを誘導するシグナルとなることが分かってきました。今回、この紫外光によるqEが誘導されないクラミドモナス変異体を単離し、光防御シグナルの伝達に関与する遺伝子を同定しました。今後これらの変異体を用いた解析から、qEクエンチングを引き起こすシグナル伝達経路の詳細が明らかになることが期待されます。